診療日程
診療日程
私(福与)は、この10月7.8.9日の3日間、リンデ教授の歯周病学・インプラント学を学んで参りました。
大変、有意義なものとなりました。今回学んだ最新の科学的根拠にのっとった生物学をふまえ、今後の診療に役立てていきたいと思います。
尚、私は、リンデ教授の率いるスエーデンのイエテボリ大学歯周病科を師事し、日本では、そのリンデ教授の愛弟子の岡本浩教授(奥羽大学歯周病学教室)の勉強会には参加しており、スカンジナビア発の人にやさしい歯周病治療を実践しております。
リンデ教授(Jan Lindhe)とはどんな人物か。
1969年に32才の若さでエーテボリ大学歯周病科主任教授に就任し、斬新な手法と鋭い研究者の眼で近代歯周病学を確立し「世界の歯周病学の頂点」と称される。1980年代にはアメリカ・ペンシルバニア大学歯学部部長としてアメリカの歯周病学および歯科教育の改革に取り組み、故スチューレ・ニーマン教授とともに多くの功績をもたらした。その後のスエーデン・エーテボリ大学歯周病科における両氏による再生療法の実証は歯周再生治療とともに現在のインプラント治療にも多大の恩恵をもたらすものである。また、歯周病科の手法を取り入れたインプラントの膨大な研究は、 インプラントの生物学という未知の分野に急速な解明をもたらした。2004年まで35年間にわたりエーテボリ大学歯周病科主任教授として同科を率いたにち、教え子であるヤン・ベンストローム教授に譲るも、現在もインプラントを含めた世界規模の生物学的研究の総指揮にあたる。その卓越した偉業と明晰な分析力は総合大学としてエーテボリ大学が誇る2000年に医学ノーベル賞を受賞したアービッド・カールソン教授と並ぶプロミネントリサーチャー(卓越した研究者)と評される。一方、その臨床は患者さんの満足はもちろんのこと、見学するすべての歯科医師は華麗としかいいようのない緻密な技術に魅了される。現在は十数年来の交流のあるイタリア・パドバでプライベートクリニックを共同開業し、とくにインプラントの臨床を行っている。
私(福与)は、2年前にスエーデン・イエテボリ大学歯周病科に研修に、また、こ のリンデ教授のイタリアにあるプライベートクリニックへインプラントコースを受講 しに行って参りました。
岡本教授の推薦の言葉
スエーデン・エーテボリ大学歯周病科の最たる特徴は卓越した研究とそれに基づく正確な臨床にある。
私自身(岡本教授)がエーテボリ大学歯学部第一号留学生としてヤン・リンデ教授とめぐり合った頃より今日に至るまで、この方針は貫かれている。
ともすれば臨床経験と単なる知名度にのみその根拠を求めがちだった脆弱な歯周病学を、科学的根拠を背景にする近代歯周病学に構築したその偉業は世界の歯周治療のスタンダードとなっている。
この40年間を振り返るとさまざまな歯周治療の材料や様式が生まれては消えていった。そのほとんどがヤン・リンデ教授率いるエーテボリ大学歯周病科の厳しい研究でその効果を立証し得なかったものであり、時間や経済性という患者本位という要素を含めた有効性に値しなかったためである。生体にとって本当に必要な治療だけを行い、治療後の良好な状態を長期的に維持することが近代歯周治療と呼べるものであるという考えの基に、歯周病の予防の可能性も追求するヤン・リンデ教授のもとでは、多くの優れた臨床研究者が輩出され、世界中に広がっている。
また、ヤン・リンデ著「臨床歯周病学とインプラント」は現在では20ヶ国以上の言語に翻訳される歯科界における世界のベストセラーになっていることは日本語版の監修者としてもうれしい限りである。第4版を迎えた本書は、歯周病学の研究から数多くの新しい見解が打ち出され、一貫した方向性を変えることなく2倍以上の情報量が詰め込まれた生物学的教科書へと進化している。さらに、ヤン・リンデ教授率いるエーテボリグループは歯周病学の研究の手法からインプラント治療を初めて生物学的に解明し、かつての経験則によりインプラント治療の常識を覆し、ジグソーパズルのようなインプラント治療の多くの矛盾点を解消し、新しいインプラント治療のパラダイムを作り上げた。この中は従来「ありえない」とされていたインプラント周囲炎の科学的根拠と驚くべき実態や治療予防方法まで言及している。しかも驚くべきことに、第4版出版時より遺伝や分子生物学的研究のさらなる加速化が進み、次回の出版
はさらにボリュームアップして既に準備されているという。
現在は同科主任教授としての職責を、同じ方針を受け継ぐヤン・ベンストローム教授にゆずり、世界規模の研究に集中するヤン・リンデ教授の動向には生物学を基本とするスエーデンの歯周治療学を日本に紹介した歯科医師としても目を離せない。
